時事通信の世論調査で内閣支持率が3割台に急落し、安倍政権に衝撃が走った。学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改ざんが影響したのは明らかで、政権は危機感を募らせる。
しかし、信頼回復への手掛かりは見えず、安倍晋三首相が悲願とする憲法改正論議や秋の自民党総裁選の行方に暗雲が垂れ込めている。

「国民から厳しい目が向けられている。信頼回復に向けて全力で取り組んでいきたい」。
菅義偉官房長官は16日の記者会見で支持率下落について問われると、硬い顔つきでこう語った。

 3月の内閣支持率は39.3%。前月から9.4ポイント落ち込んだ。

世論調査では内閣不支持の理由として、「首相を信頼できない」と答えた人が急増した。
支持率急落の背景には個別政策への反発というよりも、「政権の体質」への嫌悪感が広がっていることがあるとみられ、信頼回復は容易でない状況だ

しぼむ改憲機運
 支持率急落は首相の求心力低下につながり、改憲論議の行方にも影を落としている。
首相は2020年の改正憲法施行を目指す構えを崩していないが、文書改ざんへの世論の厳しい視線を意識する与党内では、
年内の改憲発議に向けて党内論議を急ぐ機運が急速にしぼみつつある。
執行部は意見集約を先送りせざるを得なかった

冷ややかな空気は公明党にも波及しており、同党の北側一雄中央幹事会長は15日の記者会見で、
「改憲原案が出てくるのはまだだいぶ先の話だ」と党内論議を急がない考えを表明。中堅議員は「改憲はもう無理だ」と漏らした。
現状では政府関係者も「改憲どころではない」と認める。

総裁選での主戦論と首相からの禅譲論が交錯する岸田派内では、「岸田派も首相をライバル視する石破派も活発に動くだろう。展開次第で首相は出馬を諦めるかもしれない」と見る向きもある
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