立憲幹部「参院選までに、立憲民主党と国民民主党、そして自由党と社民党も一緒になって大きな固まりを作る。
       もちろん共産党とも選挙共闘する」


小沢一郎と枝野幸男の密談情報 次はこう動く! 野党再編「迷走劇の舞台裏」
https://mainichi.jp/sunday/articles/20180514/org/00m/010/001000d

 民進党と希望の党が合流し、国民民主党が立ち上がったが、これは野党再編の序章だ。
では、「再編の最終章」はどうなるか。そのキーマンは、小沢一郎・自由党共同代表と枝野幸男・立憲民主党代表だ。
再編のラストチャンスといえる彼らのシナリオとは―。
この再編劇を冷静に見ている野党コンビがいる。 それが、立憲民主の枝野幸男代表と先述の小沢氏だ。
「枝野シナリオ」を小沢が実行する
 実はこの二人は、かつての民主党時代、敵対関係だったが、
「枝野氏は昨年秋の総選挙後に小沢氏に連絡を取って和解し、以来、二人は時折、密談している。
“野党は一つの大きな固まりにならなければならない”と意見が一致。
小沢氏も“野党第一党の代表は総理候補だから、首班指名では枝野さんに入れる。
自分にできることは何でもやる”と枝野氏に話したようだ。二人は最近も連絡を取り合っています」(別の野党幹部)
 枝野氏は民進・希望の新党に対して、表向き「こちらから主導的に動くことはしない。
(立憲へ)来る者は受け入れるが……」と言いながら、陰では小沢氏と会うなど虎視眈々(たんたん)と野党再編シナリオを描いている。
 立憲民主党幹部は話す。
「枝野氏はスーパーリアリストです。勝つために変幻自在に戦術を切り替えていく。
枝野氏は大きな野党の固まりを作るのは当然という考え。
ただ、昨年の総選挙で、野党の離合集散に一線を画し、
立憲として筋を通して国民の支持を得たため、今は自ら動くことはない」

 では、枝野氏の言う再編シナリオとは、具体的にどういうものなのか。
「民進党と希望の党の新党を待つ。それが、今回の国民民主党だ。
ここに合流しない岡田氏たちは何らかの受け皿を作るだろうが、やがては立憲と合流する。
今後、国民民主とも連携や合流を進める。細野氏など自民党に近い議員が出て行ったのでスッキリした。
それが今回の新党効果だ。筋を通しつつ、野党結集を着実に裏で進める」(前出の立憲幹部)
 このシナリオで、表立って動きにくい枝野氏に代わって動くのが、
冒頭のように、釣り糸を垂れて意を決した小沢氏なのだ。
小沢氏は枝野氏との間で野党結集への手順を確認しつつ、周辺にこう語っている。
「まずは、国民民主党に参加しなかった議員らの受け皿を準備し、立憲に寄せるのが自分の仕事になる」
「受け皿」とは、新党や統一会派のことで、小沢氏は近々、岡田氏らと会って具体的に進めると見られる。
 また、枝野氏の野党結集構想には共産党も含まれている。
 2016年の参院選で民主党幹事長だった枝野氏は、
メディアから「枝野氏は共産党とは組まない」と報じられたが、
リアリストの枝野氏は周辺に、「見ててくれ。本番までにすべての1人区で野党統一を実現する」と宣言。
その宣言通り、統一候補がまとまったのは、枝野氏が水面下で共産党と交渉を重ねた結果だった。
 その「枝野シナリオ」の目標は、来夏の参院選だ。
「参院選までに、立憲民主党と国民民主党、そして自由党と社民党も一緒になって大きな固まりを作る。
もちろん共産党とも選挙共闘する」(前出の立憲幹部)
 実際、国民民主党の大塚共同代表も、最終的には野党結集しかないとの考えだ。
大塚氏側近は「いろんな人がこぼれながらも野党6党が5党になった。次は4党、3党。
最後は共産党と2党体制だ。ここまで安倍政権の支持率が下がっているのに、再編ができなければ野党はオワリだ」と話す。
 安倍首相が総裁選3選のための解散・総選挙を打つ可能性は否定できないが、
「(野党結集の)最終ステージは参院選。その時は、枝野氏が自ら動いて野党一本化の候補者調整を行う」(前出の立憲幹部)。
 国民民主党も「立憲と候補者の棲(す)み分けをする」(大塚共同代表)という。
 野党再編―。これがラストチャンスかもしれない。