菅直人の主張

立憲民主党が傲慢に見えるのは誤解です
菅直人

 猛暑の夏からようやく9月に入りました。自民党総裁選と国民民主党の代表選が近く行われます。自民党総裁選は
安倍・独裁政権の弾圧で、自民党内でさえ民主的でまともな議論ができないひどい状況です。
 国民民主党は当事者の皆さんにとっては気の毒な状況です。もともと小池都知事が立ち上げた希望の党からスター
トした党ですが、小池都知事が離党し、立党の原点が存在していないからです。政策的にも原子力ムラの影響で原発
ゼロさえ明確にできないようでは国民的支持は広がりません。
 私は古くは河野洋平さんが自民党を離党して立ち上げた新自由クラブや、結成1年で政権の座についた細川護熙さん
の日本新党など多くの新党結成をまじかに見ると共に、私自身も社民連や民主党など新党結成にかかわってきまし
た。新党にとっては政党の立ち位置=原点が何よりも重要です。
 立憲民主党は政治家が相談して立ち上げた政党ではなく、国民の声が生み出した初めての政党であることがまさに
原点です。政党の立ち位置としては草の根に根差すことを最重要視します。そして政策的には「原発は再稼働せず順
次廃炉」という原発ゼロ基本法を提出しています。この原点以外では旧民主党、民進党の仲間とは政策的にも多くの
点で共通しています。しかしそれでも立憲民主党が元の仲間の属する政党との合流協議に参加しないのは、永田町
中心の政党間協議で妥協を繰り返せば立党の原点があいまいになり、立憲民主党を立ち上げてくれた多くの国民の
気持ちを裏切ることになるからです。
 立憲民主党の原点と政策に共鳴して個人として参加してくださる人には立憲民主党は広く門戸を開いています。そう
した姿勢が傲慢だといわれる方があるかもしれません。しかしそれは誤解です。傲慢だからそうした姿勢をとっている
のではなく、立党の原点、つまり立憲民主党を作ってくださった有権者との約束を守るためだということをぜひ理解して
いただきたいと思います。そして立憲民主党が政権を目指す政党になれるかどうかはより立憲民主党を生み出した多
くの草の根の国民の支持が拡大できるかどうかにかかっているからです。
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