臨時国会での与野党攻防の裏側で、与党・公明党の「立ち位置」が揺れている。

所信表明演説やその後の国会論戦などで改正に強い意欲を繰り返す安倍晋三首相に対し、山口那津男代表ら同党幹部が「国会の合意や国民の理解が深まっていない」などと抵抗しているからだ。

 「安倍カイケン」阻止で足並みをそろえる主要野党を後押しするような公明党の態度に首相サイドも苛立ちを隠さず、巨大与党を形成する「自公同盟」にも“隙間風”が吹き始めている。

首相が、来夏の参院選前の通常国会での発議を狙うのは、参院選で現在の「改憲勢力3分の2」を失う可能性が大きいからだ。

 だからこそ、首相は「改憲実現に前のめりになる」(側近)わけだが、現状では公明党の存在が「大きな壁」となっている。

立憲民主党など主要野党は警戒感を露わにしている。枝野幸男・立憲民主党代表は代表質問で、「憲法の本質は国家権力を縛ることで、

縛られる側の首相が先頭に立って旗を振るのは論外だ」と強い言葉で批判。改憲には一定の理解を示す国民民主党の玉木雄一郎代表も、「自衛権の範囲を大幅に拡大する案だ」と反対姿勢を鮮明にした。

公明党は、山口代表が1日の講演で「国会では合意らしきものは全然できていない」と露骨にブレーキをかけた。
「国会での各党の理解と連携が必須」との立場から、行政府の長でもある首相の、“越権”とも見える態度への批判だ。

 同党の斉藤鉄夫幹事長も「まずは憲法審査会での議論を深めることに尽きる」と首相を牽制(けんせい)した。こうして
、与党にもかかわらず主要野党の主張に同調したことで、「憲法問題では、首相が前のめりになるほど、公明党が野党化する構図」(自民幹部)も浮かび上がってきた

公明党にとって、支持母体の創価学会が首相の目指す9条改正に強く反発していることも重くのしかかる。昨秋の衆院選で、
同党が改選前から6議席も減らしたことについても「新安全保障法制への賛成で、支持者が離れた結果」(学会幹部)がある。

来年は公明党が党の命運を懸けて取り組む統一地方選と参院選が重なるだけに、「支持層の反発が強い改憲での自民党との連携は自殺行為」(公明幹部)との不安も広がる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181118-00010001-jij-pol
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