先ず最初に Гайдар という苗字自体はウクライナ語から。
ウクライナ語方言で гайдар は羊飼いのこと。
その語源だが、これはスラブ起源として説明することは少々難しい。

ファスマーのロシア語語源辞書には айдар という語の語源解釈があり、コザック人男性の髪型というような意味で、チュルク語由来とされている。
これはウクライナ人男性に特徴的な оселедец と呼ばれる独特の髪型と同じで、現代ロシア語でウクライナ人の蔑称となっている хохол のこと。

ちょうど侍の丁髷みたいに、頭頂部は剃り上げるが一部の房を残して前髪として垂らしているもの。
このチュルク語 айдар が恐らくはクリミアのタタール人を経由してウクライナ語に入り、гайдар となって「羊飼い」の意味に転用されたものと思われ、更にそれが一般人の苗字に使われ始めたと推定される。