黒塚古墳出土と言えば、画文帯神獣鏡だよな。
盗掘されてない状態で、三角縁神獣鏡が33面も出てきたが、
画文帯神獣鏡は1面しか出ておらず、
しかも立てた状態で、埋葬者の頭部と思われる位置に置いてあったことから、
埋葬時、特別扱いされていた可能性が高い。

三角縁神獣鏡は葬儀用の量産品扱いだった可能性がある。
三角縁神獣鏡より古い様式の画文帯神獣鏡だけは、
小ぶりにもかかわらず、特別な意味を持たせてあったことから、
中国で造られたのではないかと考えられている。
そうなると、価値が低い扱いの量産型葬儀用品の三角縁神獣鏡は国産鏡で、
卑弥呼が授かった百枚ではないという話になってくる。

邪馬台国畿内説では、特産品のシルクが畿内では作られていなかった点で
大きな疑問符が付いているわけだが、
三角縁神獣鏡が卑弥呼の鏡でないとなると、ますます邪馬台国畿内説は線が細くなり、
三角縁神獣鏡より様式が古い漢鏡が多く出土する北九州が、邪馬台国の有力な候補地になる
黒塚古墳の発掘結果は、邪馬台国九州説に有利なものだった。

神人龍虎画像鏡も、黒塚古墳からは1枚しか出ていない。
注目すべき鏡ではあるが、画文帯神獣鏡ほど重要なものではないようだ。