金文字についてだが、さいたまのあの剣と違って、七支刀の金文字は、金の脱落がひどい。
タガネでV字型に掘り込んで、金線をただ押し込んだだけだから。後世ではΩを逆さまにした形に
掘り込むことで、金線を脱落しにくくされているが、七支刀は百済の国としても慣れないハイテク製品だったので、
じつは不具合がある。国の威信をかけた製品だが、やはり難しかった。倭ではとても追随できないレベルだけどな。
じつは折れ易かったというのも一例だし、金文字の金の脱落もそうだし、文字の形もかなり変だ。
七支刀の「倭」の文字は、文字自体がかなりひずんでいる。説明されなければ読めないほど。
金文字を掘った人が、文書などの下書きを見ながら彫ったのだろうが、その職人は文字を書くのが
慣れていなかったようだ。日本人がアラビア文字(数字ではない)を見よう見まねで書いたようなものか。
ただ、その職人は漢字は読むことができたし、中国生まれだったらしく、意味もわかっていた。
というのは、    つづく。