未盗掘の首長級墓から大量の副葬品!
宮崎県えびの市・島内地下式横穴墓群
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宮崎県えびの市教育委員会は19日、同市島内の島内地下式横穴墓群から
2体の人骨と武具や装飾付き馬具など大量の副葬品を納めた
古墳時代中期末−後期初頭(5世紀末〜6世紀初頭)の未盗掘の墓が見つかったと発表した。
副葬品が土に埋もれずほぼ完全な状態で見つかるのは極めて珍しい。
朝鮮半島製とみられる大刀(たち)や、大和政権との関係を示す甲冑一式も出土しており
首長級の有力者が埋葬されたとみられる。

遺体を安置する墓の玄室(奥行き2.25メートル、高さ0.94メートル、幅3,1メートル)には
女性の遺骨1体と男性とみられる遺骨1体とともに、矢羽根周辺に黒漆を塗ったものを含む
約300本の矢や箱に入った状態の鏡など計400点を超える副葬品があった。

銀メッキで鞘などを装飾した銀装円頭大刀が出土したのは九州で初めて。
朝鮮半島=百済ないしは伽耶=で作られた物と様式が酷似しており半島製と判断できるという。
また衝角付冑と短甲、肩甲などが完全にそろって出土した甲冑は、
他の国内遺跡から出土した大和政権下で作られたものと様式が似ており、
大和政権との政治的関係を示している。

玄室が土に埋まらなかった為、馬具や大刀の柄に繊維や革など有機物も残っており
当時の製法や使用法の解明についても期待できる。
調査に当たった鹿児島大総合研究博物館の橋本達也准教授(考古学)は
「武器や馬具の特徴から埋葬された人物は朝鮮半島で軍事や交易の交渉に関わるなど
大和政権と政治的関係を持っていた可能性がある」と話している。

ソース 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/miyazaki/article/140283