ちょっと補足しとくとだね、
日本政府の言うことがいつも必ず正しい、と言っているわけではなくて。

例えば自分の家は元秋田藩士で、明治以降いくつかの場所に住んで
現在は東京なのだが、そこで例えば、「我が家のルーツは秋田である」と言ったとしよう。
それに対して、「いや明治期には仙台にも住んだから仙台もルーツでは」とか
「秋田藩士になる前は別のところにいたのだから、そこもルーツでは」とか言うのは自由だけど、
でも、自分のルーツがどこの地か、というのを決めるのはあくまでも俺自身なのであって、
部外者が「お前のルーツは秋田ではない!それは「ルーツ」という語の定義を誤っている!」とか言っても、
それは余計なお節介でしかないわけよ。

で、全く同じように、「日本の古都はどこか」というのは、第一義的には日本政府自身が決めるべきものであって、
その日本政府が、法令の中で「古都」という語を定義し、3大古都を定めている以上、
それを非難する権利は、政府以外の誰にもない。

そもそも「古都」なんて言葉の定義は複数あり得るわけで、
「古都保存法における古都」以外の定義に従えば、鎌倉は古都ではないとも言える、というのは事実。
でも、それは複数の定義の私的な一つに過ぎないのであって、
万人がその定義に従って話をしなくてはならない、というようなものでは全くない。

長くなったが結論を言うとだね、
例えば鎌倉市職員が、古都保存法を念頭に置いて
「鎌倉は古都です」と述べたとしよう。その場合、その職員を、
日本語を誤って用いたとして非難することは、誰にもできない、っていう話。

誤解しないでほしいが、自分の主張は
「鎌倉を古都だと主張する人に対して、その主張を論理的に否定することは誰にもできない」
という以上でも以下でもないので、
繰り返すが、政府とは別の私的な定義を用いて、例えば大阪を三大古都に入れる人が現れても別に反対はしない。