「日本は第二次世界大戦に敗北した」「日本は敗戦国である。」
これは半分正しく、半分間違いではないか? 自分はそう考えている。
日本は太平洋戦争、つまり対米英戦においては敗戦したが、対中戦争では勝利していた事実を
無視することは歴史の検証としては甚だ不適切である。日本の歴史教科書は
近現代史の記述においては非常に短絡的で思考停止に陥っている気がしてならない。
独ソ戦争と日中戦争を比較してみよう。
 ソ連軍は自国領からドイツ軍を一掃したばかりか、
東諸欧国を解放(正確には侵攻だが)し、ドイツ本国深くに攻め上って
首都ベルリンを陥落せしめドイツを軍事的に完全に葬り去った。
これに対して、中国戦線はどうか。
1937年の支那事変以来 中国軍は日本軍に対して連戦連敗を続け
大規模な戦闘においてはついぞ勝利することが無かった。 
1944年6月 欧州ではノルマンディ上陸作戦と白ロシア解放作戦が行われて
ドイツの滅亡は確定的となったが、同じ頃 中国大陸では日本軍による大陸打通作戦が開始、
日本の中国占領地域と南方戦線がつながるという中国軍の大惨敗の有様である。
1945年8月の終戦時、首都南京、北京、上海など枢要都市を含む広大な領域が日本軍の占領下にあった。
中国が戦勝国とはお世辞にも言えない。(続きます)