「中国の建築」竹島卓一 
中国の建築の大きな特徴の一つである斗栱(ときょう)(斗組(ますぐみ)、あるいは組物ともいう。
 柱の上に四角い斗形のものや、肘木といって腕木のようなものを封雑に組んで深い簷(のき)や梁(はり)をうける構造体で、装飾の意味も兼ねる)の制度についてみると、
 中国の影響をうけた日本の建築にそれがとりいれられていることはいうまでもない。

・・・平安時代に入って中国との交通が疎遠になると、たちまち停滞し、簡素化して日本固有の神社建築に応用することはあっても、それを発展させて、
いっそう複雑なものを作り出すというようなことは全然おこなわれていない。