稲作の伝播とともに、北部九州では弥生前期末〜中期前葉には遼東半島から朝鮮半島西北部で生産された鋳造鉄製品が流入し、その破片を研磨加工した鉄器の使用がみられる。

中期後葉には朝鮮半島産の鉄素材を用いた鍛冶技術による鋳造鉄器の生産が始まる。

北部九州の鍛冶炉の定着と時期を置かず、徳島市矢野遺跡では規模・構造ともに北部九州に劣ることのないT類鍛冶炉による鉄器製作が確認される。

類似施設は徳島市名東遺跡・鳴門市光勝院寺内遺跡にも認められる。先進技術のいち早い導入は吉野川下流域の特徴である。  @阿波