歴史考察にはロマンがあり、特に古代史は自身のルーツを探る上でも多くのものの心を引きつける一方で、政治的な意図や民族的意図、郷土愛や地元びいきという色眼鏡によって妄想に走りがちである。

一定の信頼を置ける文献や存在が確認されている物証といった「根拠」に基づかなければ考察の前段階である推論や推測に当たらない。


根拠のない理論は存在しないのと同じである。
byデカルト

ここに推論とは何なのか、妄想とは何なのかを明らかにし、歴史の歪曲や捏造、フィクション化を防止したい。


すいろん
【推論】
《名・ス他》(確かには)分かっていない事を推し量って論ずること。
学問上の用法では、何らかの論理規則に基づいて既知の事柄から未知の事柄を明らかにすること。

すい‐ろん【推論】の意味
[名](スル)ある事実をもとにして、未知の事柄をおしはかり論じること。「実験の結果から推論する」


推論なら「何らかの論理規則に基づいた既知の事柄」や「ある事実をもとにする」のが必須であり、
「何らかの論理規則に基づいた既知の事柄」や「ある事実をもとにする」ことが出来ないなら妄想以外の何物でもない。


もう‐そう〔マウサウ〕【妄想】の意味
[名](スル)
1 根拠もなくあれこれと想像すること。また、その想像。
2 仏語。とらわれの心によって、真実でないものを真実であると誤って考えること。また、その誤った考え。妄念。邪念。
3 根拠のないありえない内容であるにもかかわらず確信をもち、事実や論理によって訂正することができない主観的な信念。
現実検討能力の障害による精神病の症状として生じるが、気分障害や薬物中毒等でもみられる。内容により誇大妄想・被害妄想などがある。

根 拠 の な い 推 論 は 妄 言 & フ ァ ン タ ジ ー 以 外 の 何 物 で も な い