>>36
大型建物群を中心点として、その中心点からホケノ山古墳と箸墓古墳の後円部を通る軸線の角度が二十四節気の春分点、芒種点と重なることをみてきた。
次に、東側の山並の裾付近に造られた大王級の大古墳をみてみることにする。
大和古墳群では西殿塚古墳、柳本古墳群では行燈山古墳(崇神天皇陵)、渋谷向山古墳(景行天皇陵)をみる。

西殿塚古墳の後円部は、大型建物群の中心点を南北に通る真北線に対して東へ20度の角度の軸線上に乗っている。
真北線は2年目の冬至点であるので、そこから東へ20度の角度のこの軸線は、二十四節気の雨水点と重なる。
行灯山古墳の後円部は、大型建物群の中心点を南北に通る真北線に対して35度の角度の軸線上に乗っている。
この35度の角度は、2年目の二十四節気の清明点と重なる。
そして、渋谷向山古墳の後円部は、大型建物群の中心点を通る真北線に対して60度の角度の軸線上に乗っている。
この60度の角度は、2年目の二十四節気の夏至点と重なる。
これらの大王級の大古墳の後円部が、二十四節気の雨水点、清明点、夏至点の軸線にきっちりと乗っていることが分かる。
この大和、柳本古墳群には多数の中小古墳が造られているが、それらの古墳の後円部が二十四節気の特定の節気点と重なっているものは渋谷向山古墳(景行天皇陵)の前方部の北側にある上の山古墳しかみられない。
上の山古墳の後円部が乗っている軸線の角度は50度で、この角度は二十四節気の小満点と重なる。
以上の大和、柳本古墳群の大王級の大古墳群を第三墓群と仮称することにする。

次は、これら第一墓群、第二墓群、第三墓群に関連して、共通する特異事項についてみてみよう。