「麁布の麻 心込め」 木屋平で初紡式

皇位継承に伴う11月の重要儀式「大嘗祭(だいじょうさい)」に調進される麻織物「麁布(あらたえ)」になる麻糸を紡ぐ初紡式(はつつむぎしき)が7日、美馬氏木屋平の三ツ木八幡神社であり、関係者約70人が出席した。

本殿に設けられた麁布麻績殿(おうみでん)に巫女5人が正座。

水や米ぬかに浸すなどした精麻を竹くしで整えた後、繊維の強度を上げるため、糸車で麻糸を巻き取りながらねじって毛羽(けば)を取り除くなどした。

住民も加わって今月下旬まで作業を行い、調進する4反分の麁布に必要な約52kmの麻糸を紡ぐ。

4月に約600uの畑に種をまき、約3mの背丈に育った7月に抜き取った。

湯を張ったおけに浸して殺菌し、乾燥や発酵などを経て精麻した。

代々調進してきた三木家の28代当主、三木信夫さん(82)は「布ができるまでは気が抜けない。 完遂に向けて粛々とやっていきたい」と述べた。

紡いだ麻糸は、9月上旬に吉野川市の阿波忌部麁布調進協議会に渡した後、献上品の反物に仕上げる。

10月末に三木さんら関係者が皇居に納める。

令和元年8月8日 徳島新聞朝刊