筑前中域には次のような「文字」受容の痕跡である遺物が出土しています。

志賀島の金印「漢委奴国王」(五七年)
室見川の銘版「高暘左 王作永宮齊鬲 延光四年五」(一二五年)
井原・平原出土の銘文を持つ漢式鏡多数

これらに代表されるように、日本列島内の弥生遺跡中、最も濃厚な「文字」の痕跡を有すのは糸島博多湾岸(筑前中域)なのです。
この地域を邪馬壹国に比定せずに、他のどこに文字による外交・政治を行った中心王国があったというのでしょうか。