「日本をダメにした九人の政治家」 浜田幸一 1993年 講談社

 中曽根さんのブレーンの一人として知られ、臨調や民間活力導入
(民活)でも知恵者として辣腕をふるった瀬島竜三(伊藤忠相談役)
という男は、元関東軍の参謀として、諜報活動に当たっていたというが、
その実体は、ソ連の二重スパイであったという説がある。

 終戦後、ソ連に残り、帰国したのは昭和31年(1956年)である。
経歴では捕虜としてシベリアに抑留されたことになっているが、何万人
もの日本人捕虜が強制労働によって死んでいった中で生き残って
帰ってくるには、それなりの理由があったはずだ。

 彼が、シベリアでなにをしていたかを示す資料が、最近の自民党の
調査によって明らかにされつつある。化けの皮がはがされるのも、
時間の問題だろう。

 しかも、シベリアで彼が教育した日本人は3、4千人にのぼると
言われている。つまり、二重スパイとしての彼と同じ思考法をする
数千の人たちが、日本中にばら撒かれ、あちこちの要職について
いるのだ。