このことはスターリンの民族概念では、民族が自然成長的な実体―やがてそれが崩壊する
にしても―として捉えられることを意味する。そしてそこからある場合には、民族問題を、
民族をこえたプロレタリアートの組織化の問題に安易に従属させることになり、ある場合には、
自然成長的な民族意識に安易によりかかるという傾向がやがて、1945年の日本降伏にあたって
の悪名高い声明―「1904年の日露戦争でのロシア軍隊の敗北は国民の意識に重苦しい思い出
をのこした。この敗北はわが国に汚点をしるした。わが国民は、日本が粉砕され、
汚点が一掃される日がくることを信じ、そして待っていた。40年間、われわれ古い世代のものは
この日を待っていた。そしてここにその日はおとずれた」(国民文庫『ソ同盟の偉大な
祖国防衛戦争』210頁)―という声明にまで発展する。
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