微臣ら主人、並びに三条殿以下、御寛宥仰せつけられ、攘夷の御国是すみやかに相立て候儀、天地鬼神に誓い、哀訴、嘆願申し出で訴ところ、
かつてもって御採用仰せ出でられず、これまた肥後守の所為をもって、すでに時日を経、ついに浮浪煽乱の像を誣讒(ふざん)し、干戈内乱の禍を顧みず、
列藩を欺き、廟議を促し奉り、あまつさえ、もったいなくも鳳輦を揺動し奉らんとまで姦謀を相巧み【注三】候段、もはや天下万民のために、そのままには
相置きがたく、陛下祖宗の御為に誅伐仕らず候わでは相叶わざる儀につき、肥後守儀、闕下に於て討伐相加え候間、すみやかに九闕を御追い払い、
洛外へ引退し候よう仰せつけられ、なお嚇然宸怒、天誅の勅諚をすみやかに仰せ出だし下され候よう願い奉り候。暫時、輦轂の下を騒擾仕り候儀も
これあるべく、深く恐れ入り奉り候えども、その段は止むをえざる義につき、御宥免仰せつけられ候よう願い奉り候。微臣ら恐懼に堪えず、屏居、懇祈、
誠祷の至り、万死、泣血して謹んで仕え奉り候。 長防浪士中