我が家は壁にヒビが入ったり食器が割れたりしたが、なんとか無事だった。

お袋が小学校の教師で、学校に泊まり込んで被災者の食事を作ったり、
世話をしていたから俺も色々手伝ったが、ああいう時は人間の本性が出る

地位も名誉もあり普段は人望のある自治会長がワガママ連発で
大声で怒鳴り散らして周囲に迷惑かけて呆れさせたり、
子供を失った中年女性が周囲の怖がっている人を懸命に慰めていたり、
被災者はみんな家が潰れて避難所にきているのに、自宅がつぶれた事を
誰彼捕まえて何日も訴え続けている迷惑なババアがいたり、色々な人がいた。

絶望している人を慰めている人は本当に偉いと思ったよ。
学生だった俺は、メソメソしている人には係わりたくない、とマジで思って
見て見ぬふりをして忙しそうに働いていたが、まだ精神的にも若かったな。

あれから22年、今なら絶望している人を慰める事が出来るようになったのかな