>>9
前書では、大山事件(一九三七年八月九日)を「拡大派の「謀略のシナリオ」を見るようなタイミングの良さ」で
発生したと指摘するにとどまっているが、本書では、「知能犯の海軍」による、
謀略事件であったことを明らかにすることができた。

私が大山事件を問題にし、海軍が仕掛けた謀略事件であったことを明らかにしなければ、
歴史的には海軍の「完全犯罪」が成立してしまうことになったのではないか。

 それにしても、大山事件は海軍が仕掛けた謀略であったという歴史の真相が、
戦後七〇年にもなる今日まで、歴史家やジャーナリストをふくめて解明されてこなかったのが不思議である。
本書で明らかにしたように、海軍が日中戦争を全面化させ、陸軍ではなく、
海軍が「自滅のシナリオ」の結末として、日本を「日米戦争へと引っ張っていった」歴史事実の解明が、
なぜ本格的になされてこなかったのだろうか。

http://blog.goo.ne.jp/akebonobashi1937/e/7d4cc7105ad7758c759744f15e22edd7