>>644の続き
湘南海岸高○学校
中川綾子の話2

1年前
綾子は高橋建設で働き始めて
1年が経過した頃、大学を卒業した2名の新入女子社員が入社して来た。
田村妃香里と青山優茉である。4年制大学を卒業したものの
入社したばかりで全く仕事が出来ない。
ある日、田村妃香里がパソコンの電源が入りませんと騒ぎ出したがモニターとの線が外れていただけであった。
その為、年下の中川綾子が
2人の教育係となる『リーダー』に指名された。
年上の2人は綾子の事を
『綾子先輩』や『リーダー』と呼んでいた。
高校を途中で退学してしまった綾子も大学を卒業した年上の女性に『先輩』呼びをされて嬉しい気持ちもあった。
綾子は2人に徹底的に仕事を教えていた。
中川綾子『本当に駄目だなあ。こんな記録の残し方じゃ分からないでしょ。ここも数字が間違ってる』
青山優茉『はい、申し訳ございません』
中川綾子『もう一度、見直しなさい!』
青山優茉『・・・はい』
中川綾子『今日は終わるまで帰れません』
青山優茉『・・・はい(泣)』
綾子は既に自分自身の年齢の割にはかなりの収入を得ていた。首にはティファニーのダイヤのペンダントを付けていた。
田村妃香里『うぁー!中川先輩、綺麗ですね!!』
中川綾子『ああ、安物だから(笑)
妃香里さんも頑張れば給料上げてもらえるからね』
田村妃香里『はい、頑張ります』
実際に綾子は2人より遥かに高い給料を貰っていた。綾子が来客したクライアントや取引先、一般のお客様など
と交渉すると次々と契約が成立していた。
社長からは『まあうちの業界は実力主義だからね。
学歴なんて関係ないんだよ』
とも言われていたのだが。