騎手は、競馬開催日の前日21時までに騎乗予定競馬場かトレセンの「調整ルーム」に入室しなければならない。
「調整ルーム」への入室は、アスリートとしてのコンディショニング(体調管理を万全にするなど)の他、競馬開催に向けて騎手の外部
との接触を避けることを目的としているため、入室後は携帯電話など通信機器の使用も制限される。
一昨年はクリストフ・ルメール騎手が、昨年は丸山元気騎手が、調整ルーム内で携帯電話を使用したとして1か月の騎乗停止処分を受
けている。

電話は、内からかけることはできないが、外からかかってきた電話は、家族からの緊急連絡などの場合は取り次ぐ場合もある。
厩舎作業などで外出する場合は許可を得てから外出する。
金曜日と土曜日の午後にはプロのマッサージ師が待機している。

土曜日と日曜日とで異なる競馬場で騎乗する場合は、前日の競馬終了後に移動する。
またトレセンの調整ルームに入室した場合、競馬場まではJRA差し回しのハイヤーで送迎する。

調整ルームには、居室のほかに、食堂、娯楽室、浴室などがあり、浴室には体重調整をするためのサウナも完備されている。
居室は原則1人1室だが、ローカルでは2人1室になることもある。ベテラン騎手と同室になった若手騎手が、ベテランの薫陶を
受けて飛躍することもあるそう。
娯楽室には全自動麻雀卓やビリヤード台などを設置。
ちなみに飲酒は全くの自由で、前週に重賞を勝った騎手がビールを差し入れることもあるらしい。