「もう、沼田の塔とか手伝わないから」
そんなことを言われたときもあった。
でも、翌月になるといつも
「沼田塔終わったのか?」と声をかけてくれた。
不器用な彼の優しさに甘えていた俺だったが、いつしか彼がいなくなり存在の大きさに気づいた。

それでもなんだか俺の中で生きている気がして、いつもハゲと一緒に塔を登っている気持ちでいた。

いつしか俺も塔をソロクリアできるようになったが、気持ちは以前と変わらない。

クリアするたび一人つぶやく。

「ハゲありおつ」と。