訓読の基本の方針としては、下の四つはおおよそ同意されるところだろうと思う。

・和語で読んでも文意の害されない場合は、和語を用いるようにし、音読みにたよりすぎない。
(たとえば 吾日に吾が身を「三省する(さんせいする)」と読むのはよろしくなく、「みたびかえりみる」と読むのが望ましい)
・現行の書き下し文は時の表現があいまいになっているから、これをやめて、〜する/〜したの使い分けを厳格におこなう。
・自然な文にするために、会話文では適宜敬語を用いて訳する。
・「〜するゆえん」「〜すればすなわち」「〜するところとなる」「すべからく〜すべし」のような、
原文のこの字をこう読むという決まりごとをおぼえなければ意味のわからないような言い回しを使わない