ついでに指摘しておくと、
古文漢文の学習が現代語の理解に役立つことは、語彙だけでなく文法においても然り。

「○○すべし」
「○○せざるをえず」
「見よ」
「すべからく」
「よかれあしかれ」
「いずれにせよ」
「怒れる」
「悲しき」

こんな言葉は現代日本語でも普通に使うが、いずれも中学で習う口語文法では説明できない。
現代日本語の文法は実際のところ口語を主体としつつ文語も多用されていて、
両方を知っていないと理解できない/正しく使えない表現が無数にある。

だから古文漢文をちゃんと勉強してないと、例えば
「ポル・ポト政権下で知識人はすべからく虐殺された」
などと言葉を誤用して恥をかく者は実際にいる。

かく古文漢文は現代文とそもそも対立する別個の知識ではなく、
数学と物理のように一方が他方に依存する関係にあるもの。
微積分や複素解析を学ばずに理解できる物理は高校レベルを越えないのと同様、
古文漢文を学ばずに扱える日本語は小中学校教科書レベルを越えないだろう。