>時折来、五月蠅き者らの黙る縡を望む。此処は文語にて話す処なり。
>浅学の徒の来べき処にあらず。 猥雑なる言葉こそあらざらめ。

己が文語を楽しみたき折にこそ此欄を用ゐ給ふがよろしからむとおぼゆ。人がうへになづみ給ふもせむかたなき業にやはべらむ。

さは言へども、「時折来、」は「五月蠅き者ら」にかかる連体修飾部とおぼゆるを、など連体形語尾をば省きて、然てなほ「、」をおき給ふ。
「話す」は文語にては「語る」に替ふるがよろし。
なほ、「浅学の徒の来べき処にあらず」は如何にも理のきこえざるべく思ひきこゆ。
さて、貴殿かく書かまほしくおぼせりと存ずるを、如何にや思す。
「折々に来る五月蠅き者どもの黙るを望む。此処は文語にて語るべき処なり。浅学の徒の来む処にあるべからず。猥雑なる言葉のあらざらなむ。」
(時折やってくるうるさい者たちが黙るのを望む。ここは文語で話すべきところだ。浅学の徒が来るようなところであってはならない。猥雑な言葉がなくなってほしい。)