>>74
「もぬける」は口語だと思ふのですが。
手持ちの辭書には男から逃げる時に衣裳を脱いで逃げたなどといふ例文はないの
ですが、出展はどこですか。「裳脱け」は後から出來た當字ではないですかねえ?

大言海
もぬく:蛻(下二段)
蛇・蟬など時を定めて外皮を脱ぐ。
源氏三十四下若菜下七十七「青みおとろへ云々もぬけたる蟲のからなどのやうに」
他に「もぬけ」の項目に倭名類聚抄からの例文もありますが「蟬のぬけがら」のことを指してゐます。

もぬく:最拔
ぬきんづ。他に超え出づ。仲閧ノ超ゆ

もぬけのから;蛻殼
ぬけがらに同じ
平家女護島(享保・近松作)
ふしぶしこめてから竹割り、二つ二さつと笹の霞、散る魂のもぬけの殻

旺文社 漢字字典
蛻:漢音タイ・慣ゼイ
ぬけがら。蟲のぬけがら「蟬蛻センゼイ」