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『日本国語大辞典』(第二版)の「もぬけ」の項目の本文に

動詞「もぬける(蛻)」の連用形の名詞化。「藻抜」はあて字

とあります。文語では「もぬく(カ行下二段活用)」ですね。


『日国』の漢字「裳脱」の用例

・『私聚百因縁集(1257)』
 蟬の裳抜の如くにて生けるものとも見えず

・『椿説弓張月(1807-1811)
 その空蝉の裳抜の殻へ白縫が魂入りて、

を挙げています。


『源氏物語』の「空蝉」の巻に

かの【もぬけ】を、いかに伊勢をのあまのしほなれてやなど、思ふもただならず、
いつよろづに思ひ乱れたり。

自分が源氏から逃げるときに脱ぎ捨てていった薄衣が汗臭くないかと空蝉が
思い悩む場面があります。