そもそも「当を得る」という表現は単なる俗語に過ぎず、もともと日本語にあった表現ではない。

明治期に外国かぶれの若者たちの間で流行した英・漢文直訳型の「洒落た言い回し」であって、昭和に入ってから定着したものの、明治末期にはまだ「新しい洒落た言い回し」でしかなく、「最近の若者は言葉を勝手にもてあそぶ」と眉をひそめられるようなものだった。