今年のノーベル賞が“指摘した”日本政府の無能ぶり
噂されてきたノーベル文学賞が日本には絶対に来ない理由
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カズオ・イシグロは日本人ではありません。

国籍においては英国人、作家としての活動は英語を母国語として英文学の水脈のど真ん中で、
英国社会の東洋系マイノリティという視点から普遍的な問題を、
強い筆致で描き続けてきた姿勢を高く評価されているのであって、これは強く認識しておくべきでしょう。

彼は「移民の子」として英国に国籍を持った。
そしてブッカー賞を筆頭に英文学の大文字の中心的な担い手となった。

どこかの国境にグレートウォールを建設し、移民を排斥するドナルド・ダック、中東から流入する移民排除のアレルギーで、
かえって自分自身が欧州から排除されてしまった英国・・・。

この文脈からは、むしろ「自制心を抑え切れなかった大衆」で帝国の命運が狂わされ始めている英国への挽歌のような、
今回のノーベル文学賞と思うべきかもしれません。

褒賞を出すスタンスからは、あらゆる意味でカズオは「日本人」ではない。日本なんてこの文脈ではカスリもしない。

その意味では、何か人気投票か何かと勘違いして、日本の流行エンターテインメント作家がノーベル賞を受けるとか受けないとかいう
素っ頓狂がまだ続いているようですが、いいかげんもう気づくべきだと思います。

絶対は、この手のことではあり得ませんが、従来名前が挙がるような日本の作家が
2018年以降のノーベル文学賞を得る期待値は限りなくゼロに近いと思います。