在韓米国人が戦時想定の避難訓練、初の本土移送
By Michael R. Gordon in Washington and Jonathan Cheng in Seoul
2018 年 4 月 19 日 08:29 JST 更新

 米国は異例の軍事演習で、韓国から米国民を緊急避難させる手順を確認している。
朝鮮半島での紛争に備え、この避難訓練で米国民の小規模グループを
航空機でダラスに移送する予定だ。

 ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の米朝会談開催が
近づき、南北首脳会談を9日後に控え、米当局者は避難訓練を目立たせまいとしてきた。
「フォーカスト・パッセージ」と呼ばれる訓練は今週、ひっそりと開始された。

 米国は韓国防衛の任務を維持してる。以前から計画されていた今回の訓練では、
米軍と関係省庁が連携し、約100人の米国民間人を韓国から脱出させ、
在日米空軍基地を経由してダラス・フォートワース国際空港へ移送する。

 在韓米国人の避難訓練は定期的に行われているが、避難者を米国本土まで移送するのは
今回が初めてだ。

 米軍関係者の1人は、「朝鮮半島からのNEO(非戦闘員退避作戦)実施が必要になった
場合、こうした手順は重要だ」とし、「全ての工程がこうして連結したのは初めてだ」
と述べた。

 最良の状況であっても、米国民を避難させるのは難しい任務だ。
ハリー・ハリス米太平洋軍司令官は2月の議会公聴会で、
在韓米国人の数は20万人余りに上り、「途方もない数」だと指摘した。

 さらに米当局の元関係者は、一部同盟国との間では米軍がその国民も避難させる
ことが確認されていると指摘する。