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 北朝鮮は16日、「リビアモード」と呼ぶボルトン氏の手掛けた交渉戦術を拒否する
考えを示した。ボルトン氏は2003年、リビアの元指導者、ムアンマル・カダフィ氏が
核兵器を放棄する取り決めを中心になってまとめた。カダフィ氏はその後2011年、
アラブ諸国で広がった民主化要求運動「アラブの春」で追放され、殺害された。

 北朝鮮はまた、核兵器を断念する見返りとして
「経済的な対価や利益」を求めたことは一度もないと主張。
1990年代初頭から続いてきた核問題を巡る外交政策の柱に疑問符がついた。

 ただ、北朝鮮は、経済的なインセンティブの代わりに何を求めているのかは
明確にしていない。一部の専門家は、北朝鮮が安全保障上の譲歩を望んでいる
可能性があるとの見方を示す。米韓の軍事演習の規模縮小や
朝鮮半島に2万8500人が展開する在韓米軍の撤収、米国が韓国に提供している
核の傘による安全保障の撤回を求めてくるかもしれないという。

 米国科学者連盟(FAS)のシニアフェロー、アダム・マウント氏は
「北朝鮮は交渉の条件として、自らの基本姿勢をあらためて強調した。
つまり、非核化は長期にわたる交渉の結果であり、経済的な利益だけでなく、
米韓からの安全保障面での譲歩が必要というものだ」と述べる。