1996年6月、自民党の板垣正参院議員が韓国の元慰安婦、金相喜さんと面会した。
その時のやりとりは朝日新聞同年6月5日付によると以下の通り。

板垣氏:当時は貧しさの中で公娼(こうしょう)制度があり、恵まれない女性がいた。
(慰安婦問題は)決してほめられたことじゃないし、お気の毒だと思うが、官憲が首に縄をつけて連れていったわけではない

金さん:兵隊と一緒に前線を回った。連れて歩いたのはみんな軍人。
慰安所から逃げようとしたら兵士に銃撃された。友人は自殺した。
一部の日本人が、強制がなかったとか妄言を吐くので、胸の中がかきまわされる思いだ。
私が発言しないとわからないのか、と名乗り出た

板垣氏:代償というか、おカネの支払いは?

金さん:いっさいない

板垣氏:そういう例があったとはまったく信じられない。当時の状態からそう判断する。
政治家としての信念がある。日本人としての誇りもある。強制的に連れていったという客観的証拠はあるのか

板垣氏:その八年間に一銭ももらわなかったの

金さん:生死の境をのりこえた者に本当か本当じゃないという話をどうしてするのか。
かつて戦場で私の体を汚し、五十年たって今度は私の魂まで汚すのか。断じてない

板垣氏は板垣征四郎(元陸軍大臣)の息子で、軍の恥部を認めたくない側にいた。
証言を聞いた後も「政治家としての信念」などから「そういう例があったとはまったく信じられない」とした。

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