「極限状況」なら核で先制
――なぜ、海から発射する「戦域核」なのでしょう。
鈴置: 地上から発射する核ミサイルや、爆撃機に載せる核爆弾は使い勝手が悪い。
日本は核兵器の持ち込みを拒否しています。
韓国の保守の一部は戦術核の再配備を求めていますが、
文在寅(ムン・ジェイン)政権が反対するのは確実です。
北朝鮮の顔色を見て、在韓米軍さえ、追い出そうとしているぐらいですから。
それに海から撃つミサイルなら、艦船に載せて容易に動かせます。
例えば、南シナ海から朝鮮半島周辺海域にすぐに持って行けるのです。
――核による先制攻撃は許されるのですか?
鈴置: この報告書――NPRの2018年版は以下のように書いています。
・米国は、米国と同盟国、パートナー国の利益を守るにあたって
極限的な状況にある際にのみ、核兵器の使用を考慮する(ページVIII)。
要は、北朝鮮が核を使おうと使うまいと、
米国が「極限的な状況」と判断すれば核を使う、ということです。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/06181700/?all=1&page=2