【ハンJ公認姫】香山リカネキを応援するんだ2
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ディーネは眉根を寄せて、訝しげに首を傾げて胸の前で腕を組んで唸っている。 「オーヴはラウル古代遺跡の最深部の台座に嵌めてあったはずじゃが……お前の爺さんが持ち去ったのかの。どうも、わらわは長い眠りから覚めたばかりで記憶が曖昧じゃ……それに、なんでわらわは封印されてたんじゃろ? ああもう、訳がわからんわい!」 ディーネはぽかぽかと両手で頭を叩いて、頭を両手でくしゃくしゃとかきむしっている。 もしかして、爺ちゃんは悪い奴らに脅されて、ラウル古代遺跡の最深部からオーブを持ち去ったのか? なんのために? わからない。ってことは、爺ちゃんはオーブを悪い連中から隠した? オレは瞼を閉じて首を横に振る。結局、爺ちゃんはオレに何も言わずに逝ってしまった。 オレにどうしろってんだよ。オレは掌のクリスタルを握り締めた。 オレは思わず顔を上げると、気付かなかったが青白いドームの障壁にひび割れが生じている。 結界が張ってあったのか? なんのために? もしかして、オレたちを襲った魔物から守るためか? どすんと重い地響きが響き、魔法瓶とコップと土鍋が踊った。遠くでキャノン砲を撃つ音が聞こえる。 青白いドームの障壁のひび割れが大きくなってゆく。結界が壊れるのも時間の問題だな。 といいつつも、オレはキノコカレーを食いつつ、リップルジュースを飲みながら、のんびりと結界を見上げる。 オレはキノコカレーを食いながら、ディーネを横目で訝しげに見る。 ディーネは腰に両手を当てて青白いドームを見上げ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。 「やれやれ。ハンターのことを忘れておったわい。ハンターどもがわらわの結界を壊そうとしておる」 その時、遠くで獣の咆哮が聞こえ、凄まじい音波が飛んで来てオレは慌てて両耳を塞ぐ。 オレは訝しげに、横目でディーネを睨み口を歪ませる。 ディーネは腕を組んで片手で肩を竦め、獣の咆哮が聞こえた方に顎でしゃくる。 「なんじゃ? ハンターのことを説明するのか? それとも、状況を説明するのか?」 やれやれという感じでディーネはうなだれ、両手を垂らして横にぶらんぶらんと振って遊んでいる。 オレは地響きや獣の咆哮を無視して、キノコカレーを食い始める。 しばらくして音が止み、オレは顔を上げて首を傾げる。 「さっきの咆哮、オレが遭った魔物よりも図体がでけぇんじゃねぇの? ハンターがなにかしんねぇけど。状況はヤバそうだ」 ディーネが指を弾いて鳴らすと、木のテーブルの上に黒革ベルトに挿した、金と銀のオートマチック銃と肩掛けの鞘に収められた剣が現れた。 オレはキノコカレーを食い終わって、土鍋の中に木のスプーンを放り込む。お腹を擦りながらディーネに振り向く。 ディーネはお手上げという感じで、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。 「お前もみたじゃろ? 凶暴な魔物を。あれは古代人が造ったラウル帝国を守る魔物じゃ。今となってはプログラムが暴走して姿まで変えて厄介なことになっておる。禁断の森に侵入した者を狩るハンターとなってしまった。あいつら、ちっともわらわを認識せん。困ったことになったわい」 ディーネが忌々しげに音のする方を指さして舌を出し、頭をぽかぽかと両手で叩く。 「あいつら共食いしてたぜ? ありゃ意味あんのか?」 腹が満たされたのか急に眠気が襲って、オレは欠伸をして涙目でディーネを横目で見る。 「うーん。それは、単に腹が空いたからじゃろう。仲間を喰うことであやつら力が増すからのう。味を覚えたんじゃろ」 ディーネは腕を組んで、不思議そうに首を傾げている。 オレは涙を指で拭って腕を組み、顎に手を当てて唸る。 「図体がデカいのが相手となるとヤバいな。ディーネ、結界はどれくらい持つんだ?」 オレは顔を上げて顎から手を離し、ディーネに振り向く。 「さあの。今のところ持っておるが……ただ、あやつら結界を壊せずにお怒りみたいじゃ。うーむ。どうにかして、わらわをあやつらに認識させればいいんじゃがのう……」 ディーネはつまらなそうに後頭部で手を組んで空を仰ぐ。 ディーネをハンターに認識させる? そうすりゃ、追いかけてこないのか? いや、待てよ。単純にあいつらを味方につければいい。 そうか、その手があったか。どうやってあいつらを味方につけるんだよ? 自分で言っておいてわけわかんねぇ。オレは両手で頭をくしゃくしゃにした。 「なあ。どうにかしてハンターを味方にすれば、野営地を奇襲してミサとネロを救えるんじゃないか?」 ディーネは顔を輝かせて、閃いたとばかりに掌の上に拳で叩く。 「それじゃ! あやつらのプログラムを書き換えて、わらわたちを認識させればいいんじゃ! でかしたぞ!」 ディーネが嬉しそうに顔を綻ばせてオレの元に小走りで寄り、オレの頭を両手でくしゃくしゃにして頬擦りする。 ディーネはオレから離れて木のテーブルに掌を突いて、勝ち誇ったように喉の奥で笑ってオレを見下ろす。 オレは木のテーブルに頬杖を突いて、片手で肩を竦めた。 興味なさそうにオレは横目でディーネを睨み口を歪ませる。 ディーネは掌を木のテーブルに突いたまま、顔を綻ばせて指を弾いて鳴らす。 すると、土鍋と魔法瓶と木のコップが消えて代わりに黒革ベルトに挿した金と銀のオートマチック銃と、斜め掛けの鞘に収められた剣が現れる。 片手を腰に当てて、オレに親指を突き出して歯を見せて笑う。 「ハンターと戦うのにやわな銃は命取りじゃからな。銃はわらわからのプレゼントじゃ。それにしても、今の時代の剣は随分な業物じゃのう。感心じゃわい」 ディーネは両手を腰に当てて木のテーブルに置かれた鞘を見て頷き、後頭部で手を組んで呻る。 オレは木のテーブルに両手の掌を突いて椅子から勢いよく立ち上がった。 「なんだよ、これ!? ハンターを味方につけるのに戦えってか!? 冗談じゃねぇぞ!」 オレは金と銀のオートマチック銃を指さして、両手の拳を木のテーブルに叩く。 「じゃ、どうするんじゃ? お前はこのまま逃げるのか? 何もせずにミサとネロを見捨てる気か?」 オレの眼が動揺でさざ波の様に揺れる。やがて俯いて拳を握り締める。 「オレは……ミサとネロを見捨てる気なんかねぇ。ただビビッてただけだ。いつもミサとネロがいたからな。ディーネ、手を貸せ。あいつらにたっぷり仕返しするぞ。もしあいつらを味方につけたら、オレをオーヴの主と認めろよ?」 オレは顔を上げて斜め掛けの鞘をゆっくりと肩に斜め掛けする。 肩を動かして、ゆっくりと鞘から剣を抜き、刀身に映るオレをまじまじと見つめる。 意を決して剣を鞘に収め、金と銀の銃を見てオレは腕を組んで首を傾げる。 剣は騎士団からくすねた剣みたいだけど、銃は騎士団からくすねた銃じゃないな。 それに、オレはミサのフックショット川に落としたか? オレは腕を組んだまま、瞼を閉じて首を横に振る。まあいいか。 「やる気になったみたいじゃのう。よかろう、あやつらを味方につけることができたら、お前をオーヴの主と認めよう」 オレはディーネに振り向くと、ディーネは顔を綻ばせて「うんうん」と頷いていた。 オレは舌打ちして、ディーネを無視して黒革ベルトを腰に巻く。 「オレをオーヴの主と認めたわけじゃないのに、なんで武器なんかくれるんだよ。ったく、わけわかんねぇ」 オレはベルトに挿した金のオートマチック銃を抜いて、片目を瞑って片手でオートマチック銃を樹に構える。 金のオートマチック銃をベルトに挿して、今度は銀のオートマチック銃を抜いみる。 銀の銃はフックショットだった。形がミサのフックショットに似ているが、こっちの方が高性能そうだ。 オレは肩を回して、屈伸したり、腕を伸ばしたり体操した。 ディーネは腕を組んで、訝しげな目つきで体操するオレを見下ろす。 「どうやってハンターども味方につけるんじゃ? まさか考えてないとか言うんじゃないじゃろな?」 ディーネはオレの傍に寄ってきてふふんと喉で笑い、腰を回すオレの脇腹を肘で小突く。 オレはディーネを無視して、鞘から剣を抜いて素振りする。 「それができたら苦労してねぇよ。って、ディーネちけぇよ! そんなに斬られてぇか!」 オレは何故か顔が火照り、鼓動が高まり、ディーネを近づけさせまいと剣を振り回す。 オレは気まずそうに頬を人差指で掻いて、剣先をしっかりとディーネに向ける。 オレは驚いて手から剣が滑り落ちて、剣が地面に落ちる。 オレが屈んで地面に落ちた剣を拾おうとした時、体当たりするような轟音と衝撃波がオレを襲う。 オレは青白いドームの障壁を見上げて、剣を拾い上げて鞘に収める。 「そろそろ向こうも本気みたいだぜ? 仲間でも呼んできたんじゃねぇの? ディーネ、さっさとドラゴンに変身しろよ」 オレは腕を組み、ディーネを睨んで鼻と喉を鳴らして笑った。 レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。