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◇G7でも出てきた「竹島」

 11〜13日まで英南西部コーンウォールで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)には
正式メンバーではない文大統領も招待されていたが、日韓首脳会談は実現しなかった。
菅義偉首相と文大統領は13日に始めて直接対面したものの、あいさつを交わすにとどまった。
徴用工や慰安婦問題で冷え切った両国関係の「いま」を象徴することとなった。

 「韓国側の動きで、日韓関係が極めて厳しくなっているわけだから、韓国内で
しっかりした方向性を示すべきだ」「国と国の約束が守られていない状況の中で、
その環境にはない」。菅首相は13日、同行記者団に対して、会談が実現しない責任は、
韓国側が徴用工や慰安婦問題を解決しないからだとの考えを示した。

 菅首相は、官房長官時代から韓国の姿勢を厳しく批判してきたが、
衆院解散・総選挙も近い中、世論から「韓国に弱腰」と見られるわけにはいかないとの
意識も働いたのではないだろうか。

 一方、韓国メディアが、日韓首脳会談が実現しなかった理由として報じたのは、
またしても竹島だった。

 聯合ニュースは、韓国外交当局者の話として、略式会談の実施をいったん
両国の実務レベルで合意したにもかかわらず、日本が一方的に破棄したと報道。
日本側は13日の週に予定されている竹島周辺での韓国軍の訓練を理由に挙げたとしており、
当局者の「遺憾だ」とのコメントを伝えた。加藤勝信官房長官は14日の記者会見で、
「そんな事実はまったくない。一方的な配信は極めて遺憾だ」と述べ、
韓国側に抗議したことを明らかにした。

 韓国軍は翌15日、竹島周辺で訓練を行った。岸信夫防衛相は同日の閣議後会見で、
「竹島が歴史的な事実に照らしても、国際法上も我が国の固有の領土であることに
鑑みても、到底受け入れることができない。極めて遺憾だ」と表明した。