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巨大な中国市場を捨てるのか?

 すると翌16日、邢海明・駐韓中国大使が尹錫悦氏への反論を中央日報に載せました。
「韓中関係は韓米関係の付属品ではない」(日本語版)です。ポイントを引用します。

・韓米同盟が中国の利益を害してはいけない。私たちは歴史的に数千年の東方価値観を
共有してきており、毎年貿易投資額は数千億ドルに達する。

・中韓関係は決して韓米関係の付属品ではなく、両国関係の発展は他の要素によって
影響されてはいけない。

・米国が韓国にTHAADを配備したことは中国の安保利益を深刻に損ない、
中国人民が不安を感じている点を強調したい。
インタビューでは中国レーダーに言及したが、この発言を理解することはできない。
韓国の友人から中国レーダーが韓国に威嚇になるという言葉を一度も聞いたことがないためだ。

・中韓両国は戦略的協力パートナー関係である以上、敵ではなく友好的な隣国だ。
中国は防御的な国防政策を行ってきており、韓国を仮想の敵だと考えたことがない。

 邢海明大使の主張は中国の公式見解――米韓同盟を否定はしないが、
中国の不利益になることは一切許さない――をなぞっています。

 しかし結局は「米韓同盟をやめろ」と言っているに等しい。
米韓同盟の象徴たる韓国に配備された米軍のTHAADレーダーは中国の安保を損なう、と
撤去を要求しているのですから。衣の下から鎧(よろい)をのぞかせた論文です。

 邢海明大使は最後の段落で
「(大統領選挙は)韓国の内政であり大統領選走者は皆、私たちの友人だ」と書きました。
「内政干渉」との批判が起こるのを予防したつもりでしょう。

 しかし、普通の韓国人がこの論文を読んだら「親米保守の大統領を選んだら、
中国依存度の高い韓国経済を破綻させるぞ」と脅されたと感じるでしょう。
少し前に、以下のくだりがあるからです。

・中国はすでに5億人に近い中産層の人口を有していて、今後10年間で22兆ドル規模の
商品を輸入する計画だ。中韓貿易額はすでに韓米、韓日および韓−EU間の貿易額を
すべて合わせた水準に近くなっている。

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/08161701/?all=1