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新たな悪材料「メモリー不況」

――しかし、大統領選挙までには韓国でも希望者全員にワクチンを打ち終わるでしょう。

鈴置:その時は「通貨」で攻める手があります。
「『金融危機がやって来る』と叫ぶ韓国銀行 年内利上げを予告、バブル退治も時すでに
遅い?」で詳しく説明しましたが、韓国は通貨危機に陥る可能性が高まっている。

 その際、米国は見殺しにすることによって
「反米政権は許さない」とのメッセージを韓国人に送ることができるのです。
金泳三(キム・ヨンサム)政権末期、1997年の通貨危機が最たるものですが、
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に対しても国の格付けを下げて脅したことがあります
(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

 韓国は新型コロナで景気が失速するのを防ぐために2020年春以降、
金融を猛烈に緩めた。その結果、株価が日米以上に急騰。
もともと投機の対象になっていた不動産はさらに値上がりしました。バブル状態です。

 しかし、新型コロナの流行が下火になるとともに、
世界的な金融緩和の時代が終わるとの見方が次第に広がりました。
韓国バブルを目指し流れ込んでいたおカネが一気に米国に逆流しかねない。
これを恐れた韓国銀行が今年初めから国民に「株を買うな。大けがするぞ」と
呼びかけていたのです。

 ここに新たな悪材料が加わりました。8月中旬以降、メモリー不況に突入するとの
見方から、韓国株・ウォン売りが始まったのです。予想外の出来事でした。