なりふり構わず「言論統制」へ、韓国は民主主義を捨てるつもりか
「野党排除」で法案審議、与党の独善で韓国国会が異常事態に
2021.8.23(月) 武藤 正敏:元在韓国特命全権大使

 韓国の国会は18日、与党「共に民主党」が提出した
「言論仲裁及び被害救済に関する法律(言論仲裁法)改正案」を、
文化体育観光委員会(文体委)の全体会議で強行採決・処理した。

 共に民主党は、与野党で隔たりの大きい炭素中立法(カーボンニュートラル法)と
私立学校法の改正案も同じやり方で処理した。

 同党は昨年、野党が強く反対する不動産3法、高位公職者犯罪捜査処設置法の改正案、
今年には対北朝鮮ビラ散布禁止法も同じ手法で処理しており世論の批判を浴びているが、
ここに来て一気に与野党対決法案を処理したのは、来年3月の大統領選挙を前に、
選挙に有利な環境の醸成と革新系政権のビジョンを韓国の将来に根付かせようとする意図がある。