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 2019年にタン氏はこの訴訟に先立ち、クアンナム省などの合計17村・102人の
ベトナム村民を代表して、この民間人殺戮事件の公式調査を始めることを求める
請願書を、韓国政府に提出していた。韓国側の市民団体もタン氏の請願に協力した。
しかし文政権がそれに応じなかったため、タン氏は2020年の訴訟に踏み切ったという。

 米国が公式に軍事介入してから、韓国はベトナム戦争で朴正煕政権下、米国の要請を受け、
1960年代後半から1973年にかけて2個師団を主体とする合計5万人ほどの軍隊を派遣した。
この韓国軍は、北ベトナム軍や南ベトナム解放戦線軍の攻勢が激しかった
中部ベトナムに配備された。派遣された韓国軍将兵は1〜2年で交替という例が多く、
通算の派遣将兵は延べ32万人にも達した。

 ニューヨーク・タイムズの同報道によると、
1968年2月12日、クアンナム省のフォン二ィ・フォンニュット村で、
韓国軍海兵隊がベトナムの非武装の民間人に攻撃をかけ、少なくとも70人を殺した。
韓国海兵隊が村での行動中に狙撃を受け、兵士1人が負傷したことがきっかけだった。
韓国軍はその地域の民間人全体を敵視して殺傷した。
昨年、訴訟を起こしたタン氏は当時8歳で、村に家族とともに住んでいたという。

 同報道は、この韓国軍によるクアンナム省での民間人虐殺は、当時、近くにいた米軍や
南ベトナム政府軍によって裏づけられ、記録に残されていることや、その後の米国、
韓国の民間団体の調査によって韓国軍によるベトナム民間人の殺害は合計9000人に達する
とされたことをも伝えていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/af43ad7e8a176d7d18209d753e2632bd024a564e