父方の従兄の結婚式で一家が地獄に突き落とされた話。

勘違いで式場に早く着きすぎた俺家族。
父と俺(当時、中3)はロビーのソファでゲーム、母と姉(当時、高2)はホテル内を散策すると言って
どこかへ行ってしまった。

1時間ほどで従兄一家がやってきて、控室に向かう途中で、「ドロボーっ!!」と悲鳴。
従兄が新婦の声だと言うので、従兄と脚の速い俺が悲鳴のする方向へ駆けつけると、
新婦が泣きながらドアの入口に座り込んでいた。

部屋の中には新婦のウェディングドレスを着た姉と、「大げさねえ」と笑う母。
従兄は「何してるんだ。早く脱げーっ!」と叫びながら、姉を往復ビンタ。
母と姉は「何も殴ることないでしょ」と逆切れ。

後からやってきた父は「ちょっと借りただけなのに」とふてくされる母と姉をビンタし、新婦父に土下座。
母は「覚えてらっしゃい、離婚よ、離婚!」と絶叫するも、伯父(父の長兄)に殴られ、しぶしぶ土下座。
姉は伯母にドレスをはぎ取られ、ブラとパンツ姿で土下座させられたが、全く反省している風でない。

「このような親族をお持ちとは、この結婚は考え直させていただく」と新婦父の怒りは収まらず、
「もうこのドレスは着たくない」と新婦が号泣したため、新婦の急病ということにして、
結婚式は中止で、食事会になった。

母と姉が事の重大さに気づいたのは数日後。
父の会社の大口顧客であった新婦父が母と姉がしでかしたことを理由に取引を停止したため、
父はかろうじてクビは免れたものの、降格、減給。退職まで閑職に追いやられた。

父が母に離婚届を突き付け、姉と二人で実家に帰るように言った。
父は俺を引き取るので姉の養育費は相殺して払わない、母と姉のせいで中止になった結婚式の費用や
慰謝料を払うから財産分与はない、という条件を俺たちの前で説明した。
専業主婦だった母は父に捨てられたら暮らしていけないとすがり、パートして家計を助ける条件で再構築。