私は、夢をみていました。
昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢をみているんだと自覚する事がありました。
この時もそうです。
何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。
すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ〜」
と意味不明なものでした。
まもなく駅に電車が入ってきました。
それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。

私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。
本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。
私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。

私は電車の後ろから3番目の席に座りました。
辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
「 出発します〜」
とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。これから何が起こるのだろうと私は不安と期待でどきどきしていました。
電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りました。
紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。