0001Mr.名無しさん
2018/03/12(月) 20:30:42.14母は小さな頃のウッさんの姿を目に浮かべ、穏やかな気持ちで外を見ていた。
駆け回るウッさんの姿が自分の幸せそのものだった。
夜泣きするウッさんに起こされても、ご飯を散らかして部屋の掃除が大変になっても、
お母さんは大好きなウッさんのしたことだから幸せだった。
学校へ行くようになって、きっといろんな体験をして成長してるんだろうな
ってお母さんは想ってた。
あまり外へ行かなくて、友達とちゃんと仲良くできてるのかな?
ってお母さんは心配だった。
お母さんは何があってもウッさんの味方でいようと、ウッさんを信じていたいと考えていた。
案の定、ウッさんは自分の思うようには成長できなくて、悩んでいた。
ウッさんは悩んだまま立ち止まっていた。
立ち止まったままずーっとそこにいた。
大人になっても成長しないウッさんを、お母さんはずーっと見守っていた。
お母さんの負担は大きくなっていった。
でも
ウッさんは自分のことしか見られなかった。
誰よりも可哀想な自分を誰よりも哀れんでいた。
哀れんで、悔しくて、悔しいのが嫌で、悔しいことを忘れた。
悔しいことを忘れたら、どうしたらいいのかも忘れた。
そうして将来を諦めたウッさんは、遊びほうけてそのままいなくなった。
お母さんはひとりぼっちになった。
そして今、庭を見ている。成長していたころのウッさんの姿を探して。
最後までウッさんを信じていたおかあさん。
ウッさんに代わって、ありがとう。