八俣遠呂智は女神?男神?

性別不明
・古事記日本書紀
・島根・鳥取の説話(ヤマタ縁の地にイワナガヒメの神社や史跡あり)

女神説
・鵜鳥(うねどり)神楽「岩長姫」でヤマタノオロチがイワナガヒメに転生しヤマトタケルと剣争奪戦を行う
・黒森神楽「岩長姫」でヤマタノオロチがイワナガヒメに転生しヤマトタケルと剣争奪戦を行う
・南部神楽「宝剣納め」(江戸時代成立)で、ヤマタノオロチにまつわる剣を奪うイワナガヒメが蛇になる描写あり
・愚管抄(13世紀)、では安徳=龍王(ヤマタ)の娘ないし安徳=龍王の娘=ヤマタ
安徳天皇=ヤマタ、女性説は当時からある説話で、それを元に歌舞伎、人形浄瑠璃「義経千本桜」もある 
・江戸中期ごろの『秀真伝』では天照の十二妃の一人
・近松門左衛門の「日本振袖始」(18世紀初頭)にてイワナガヒメがヤマタノオロチだという設定あり
 文楽、人形浄瑠璃他にもあり。義太夫の八雲猩々も同内容

文献的には、鎌倉初期が初出(後述の愚管抄、平家物語などから)
説話的には、神代の時代ないしヤマトタケルの時代までさかのぼる


男神説
・平家物語(13世紀)、太平記(14世紀後半)で、安徳天皇=ヤマタノオロチ
 ※ただし平家物語中に安徳天皇を女性かも?と思われる描写あり
・伊吹山系の物語(中世末期)では、伊吹山の明神はヤマタノオロチ(酒呑童子の母を孕ませたことから)

文献的には、鎌倉中期が初出
説話的には、中世の時代までさかのぼる

参考20170304-0310上映シネマ歌舞伎「日本振袖始」
http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/26/