人間の心は、イメージと言語とシンボルからできている、
というのが俺の持論だったが、この関係を
明確にしたのが、中森明菜の「スローモーション」だった。
イメージは人間のエゴに働きかけ、
言語はシンボルを形成し、衝動の基盤となる。
図にしてみよう。

エゴ←イメージ
シンボル←言語

衝動

となる。
夏の恋人候補が現れて、衝動が先走った時に、
言語がシンボルに追い付かず、風景がスローモーションになる、
という作品だ。
交通事故の瞬間もスローモーションになるそうだ。
ちなみに、男の子は、お父さんを殺してやろう、
というイメージから、スーパーエゴというものを作り上げ、
自分を痛め付けてまで修行するようになる。
アスリートはみんなそうだろう。
あくまでもイメージであり、言葉にすると「認めてもらいたい」
程度だろう。
第一印象が悪くても「話してみたら面白かった」というのも、
エゴに働きかけたイメージを言語が修正し、
衝動をうみだしている。
むしろ「恋は言語からうまれる」とすらいえる。