慶大・岩見、衝撃130メートルV弾 年間新12発

◆東京六大学野球第6週第2日 慶大7―2立大(17日・神宮)

ドラフト候補スラッガーの慶大・岩見雅紀左翼手(4年)が、リーグ年間最多本塁打記録を樹立した。
初回2死三塁から、推定130メートルの中越え7号2ラン。
1994年にOBの丸山泰令がマークした年間11本を超えた。
シーズン7本は2004年秋の法大・田中彰(元広島)に並ぶリーグ記録で通算21号は、早大・岡田彰布を抜いてリーグ単独3位。
23本塁打の慶大・高橋由伸(現巨人監督)にあと2本と迫った。
4番のV弾で、チームは単独首位に浮上。
優勝の行方は、最終週の早慶戦に持ち込まれた。

衝撃の130メートル弾だ。
初回2死三塁。
岩見は芯を外されながらも、中越えへ運んだ。
「ファウルで粘って(スライダーを)すくえるんじゃないかな、と。うまく体が止まってくれた。思ったより飛びましたね」。
直球を待ちながら、外角低めのスライダーに反応し、描いた鮮やかな放物線。
リーグのシーズン最多タイ7号2ランは、年間新の12号だ。

着実に進化を遂げている。
今春は5本塁打を放ったが、15三振8四死球で、打率2割2分4厘。
今季は5三振10四死球を選び、8日には新記録の5試合連続本塁打と確実性もアップし、打率、出塁率をともに上げている。
「ずっと間の取り方を意識してきて、ようやく結果が出てきた。ファウルの内容が良くなった。タイミングの取り方も良くなっている」と分析。
この日も本塁打の後は四球、死球、中前安打と全打席で出塁。
通算最多23本まであと2本という状況にも「全部終わった時にどうなっているか楽しみ」と平然と話した。

スタンドでは7球団のスカウトが視察。
今年の12本塁打中、11本を見届けている広島・苑田スカウト統括部長は
「これだけ飛ばすとは…。これまで、アマのホームラン打者では清原(和博)が1番だと思っていたけど、打球の強さ、速さは岩見の方が上。両サイドの難しい球も打てるようになった。もっと早めに始動して、軸(右足)に力をためれば、楽に3割打てる」
と絶賛した。