イチロー:バッターをやればいいのにと思いました。すごいピッチャーはいくらでも出てきます。でも、あんなバッターはなかなか出てこない。
実際にグラウンドで対戦したわけでもない距離感の中での話ですけど、彼ほどのバッターはなかなかいないと思います。
まずは、あの体格というアドバンテージがあって、その上に技術がある。ああやってバットの面にボールを乗せていくバッティングができる
選手は限られています。僕はたくさんのバッターを見てきましたけど、大半の選手はバットにボールを当てる時間が短いんです。
でも、大谷は違いますね。バットの面にピッターとボールがくっついてくる。

ーそれは何ができていると可能になるんですか。

イチロー:わかりやすく言えば、インサイドアウトのスイングができているということです。

ーヘッドが遅れてでてくるということですね。

イチロー:しかも大谷の場合は、手も出てこない。グリップが最後まで残っていて、しかもスイングの軌道がインサイドアウト..
.おそらくこれができている選手というのは、小学生のときからできているんだと思います。プロになってからできるものじゃない。

ーイチロー選手もそうだったんですか。

イチロー:そうです。でも、やろうと思ってできたことじゃない。すでにそうなってるんです。だから、これは努力ではどうしようもない。
残念ながら、できる人とできない人との間に越えられない壁がある技術なんです。

Sports Graphic Number 876号 イチロー主義2015
http://yukiumaoka.hatenablog.com/entry/2015/11/28/141207