リリーは短尺のダガークレンチをを腰のホルスターに収め、背負う長尺のクラウチングホルスターに左手を伸ばした。

>>47 10行目 ・・動悸に似た妙な気分を催した。  14行目 ・・その時、リリーはやわら右手を鞄に差し込んだ。無意識を塗り付けたその顔に表情はない。
両目が淡い光の軌跡を短く描き、その犬は闇夜に溶け込み消えた。そこに夜行性の本能を置き忘れ消えた。

 リリーは咄嗟に左の腰のクラウチングホルスターからダガークレンチを振り向き様に抜刀した。DK(ダガークレンチ)を横薙ぎで払い真上に突き上げた。
まるで熱赤外線探知のように射抜くような気配を頬に受けた。体が殺気に触れる前、その瞬間でリリーの左手は腰の短尺に触れている。
グリップドライブとはリリーの神経反射が起こす抜刀を駆け抜ける一連の動作である。

 リリーはDK(ダガークレンチ)を握る左手を胸元で構えた。その特殊金属は夜行性の本能を宿し月明かりを受け癒悦する。
リリーがグリップドライブするその立ち並ぶ強靭な三枚の刃は街が宿す微光を受け癒悦する。失われることのない名流である。