永遠
映画本などで、たまにあるのだが、まるまる一章が、あちらで出てる本の内容の、ほとんど要約で、
巻末に参考文献として挙げてるから盗作とは言い難いものの、自分で調べたり考えたりしたものでない事柄を、
ひたすら書き連ねておいて、本文中で作者名すら出さないというのは、どんなものかなあと。

主人公のアイデンティティが揺らぐ『トータル・リコール』について、
著者は、何故この作品に執着したのか理解できないと書くのだが、
その後、彼が自らプロデュースした『ラスト・アクション・ヒーロー』も『シックス・デイ』もそういう話なのだし、
そこを掘り下げないと映画評論とは言えないだろう。

『ターミネーター』『ターミネーター2』『トゥルーライズ』の章が、いずれも俳優論ではなく、
ジェームズ・キャメロン論にしかなっていないのも、コンセプトを見失っているとしか言いようがない。

大作『クルセイド(十字軍)』の企画が頓挫したのは、シュワとヴァーホーヴェン監督がケンカをしたからというのも、
話としては面白いけど、製作会社のカロルコの経営が傾いていて、
1億ドルクラスの作品を作りきれなかったという点の方が大きいよね。